【和歌山】珈琲るーむ 森永

大本命・森永へ。

昭和22年創業。和歌山で一番古い純喫茶である。前回惜しくも定休日だったが、今回めでたく再会、営業中。

和歌山に来たのはこのため、と言っても過言ではない。

珈琲るーむ 森永

珈琲るーむ 森永

和歌山県和歌山市美園町2-68

珈琲るーむ 森永 珈琲るーむ 森永 珈琲るーむ 森永

外観の可愛らしさはピカイチ。

珈琲るーむ 森永

このドアなんて特にと写真を撮っていると、えっ!?

ドアが開いた!

こう見えて自動ドア。それもよくある左右スライド式ではなく、前後開閉式。

なんと新しい! いや古いのか?

ドギマギしながら8か月間憧れを募らせ続けた森永に潜り込む。

真ん中の席には、えびす様のように慈愛に満ちた笑みを浮かべる年配の女性が座っていた。

森永のママさんである。

珈琲るーむ 森永

窓が見える席に座る。

「モーニングも出せますよ」

モーニング? もう12時は過ぎているというのに。一体何時までやっているんだろう?

残念ながら、「ファッション」で食事したばかりなのでパス。

エッグなんとかという変わったコーヒーがあった。
「卵の黄身が乗ってて栄養満点ですよ」との説明。

栄養・・・この後死ぬほど摂る予定なので、これもパス。普通のコーヒーにした。

店内を見回した。先客はゼロ。きっと今しかない。コーヒーが出てくるまでの時間、店内の撮影をさせていただいた。実際この読みは正しく、数分後、続々とお客さんが入ってきた。

珈琲るーむ 森永

コーヒーは濃すぎず薄すぎず飲みやすい味。

「写真撮れましたか?」
ニコニコしながらママさんから話しかけれた。

関西弁でないからか、地元の人間でないことはバレていた。純喫茶が好きで東京から来たと伝えると、店の歴史を話してくれた。

創業70年近くなる。元は木造だったが、後に区画整理で少し引っ込み、鉄筋の建物になり55~6年になるという。改装はしていないこと、長く通うお客さんには落ち着くので変えないで欲しいと言われている、と。

思わず頷く。

当時の造りが良いのか、歴史の重みは伝わるが、劣化がほとんど見られない。

自動ドアは流行を先取りしたもので、他店ではまだ見られない頃に設置している。場所を取らないよう前後開閉式にした、とのこと。池袋西口にある「カフェ・ド・巴里」の観音開きの自動ドアも同じ理由だろうか、とふと思った。

では、このへんで店内写真を一挙紹介。

珈琲るーむ 森永 珈琲るーむ 森永 珈琲るーむ 森永 珈琲るーむ 森永

決して広い店ではないが、席の配置、パーテーションの多用、観葉植物等により、他のお客さんが気にならない、大変良い造り。

渋さ・重厚さと可愛らしさが同居した珠玉中の珠玉。

壁の木彫りはママさんの作品。

珈琲るーむ 森永

腰壁は煉瓦。SKTとは何の略だろう?

珈琲るーむ 森永

デジカメの寿命なのかピンボケしてるが、カウンターの上に設置された照明も個性的で年季の入ったもの。

「奥も見ていってください」

珈琲るーむ 森永

なんだか秘密めいた雰囲気……。

珈琲るーむ 森永

まるでデビッド・リンチの世界。赤く妖しげな異空間。壁には赤富士と仮面?

珈琲るーむ 森永

菩薩様。

この奥の間は南西の裏鬼門にあたる。悪いものが出ていくように飾っているとのこと。ちなみに、通常の席は北東で表鬼門になるという。

「静かなのでここでは商談によく使われます」

商談? また随分とマニアックな(笑)。

珈琲るーむ 森永

あと、密かに気になっていた森永という店名。「森永いう名字じゃないですよ」と前置きをした上で由来を教えてくれた。

当時の人気・森永ミルクキャラメルから森永と命名(許可は取っている)。覚えやすい、親しみやすい、そういう理由だとのこと。

この後、一旦和歌山を離れ、JR和歌山線に乗り岩出へ移動。またまた私を驚かすハイレベルな純喫茶に出会う。

だが、それでもなお、森永の存在は突出していた。

利用金額

  • コーヒー(値段は忘れました)

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コメント

初めまして、こんにちは。
いつも楽しく拝読させていただいております。
同じく純喫茶巡りが好きで、昨日こちらの森永さんにもお邪魔させていただきました。
自分の場合は自動ドアが見たかったのですが笑、なんと故障により手動になっていました……!
ショックでしたが、ママさんが「いずれ直すかもしれないからまた是非ね」と素敵な笑顔でフォローしてくださいました。
自動ドアが見られなくても十分すばらしい喫茶店でした。
報告までに。これからも更新楽しみにしております。
喫茶浜さんの窓際のお席よりお送りいたしました。

エムケイ

>すさん
初めまして。
和歌山に行かれたのですね。
今もまだいらっしゃるのでしょうか?

森永の自動ドアは見ものの一つでもありますが、他にも素敵なものが一杯でしょう?
ママさんはとても印象に残ってます。
お元気なようですね。

浜の窓辺の席からコメントしてくれたのですね。
あの窓辺でコーヒーを飲んでいると、なぜか船旅をしているような気分になりました。
和歌山の珠玉の一軒です。

kiyo

エムケイさんのブログを読んでからずっと憧れていた和歌山に
念願叶って先月行ってきました。
旅の最初に、こちらの森永さんに伺いました。
あまりに素敵すぎて、その日の最後にもう一度行って
しまいましたよ。

和歌山・・すでにまた行きたいです。
今回は和歌山市内中心に回ったので
次は他の町にも行ってみたいです。

エムケイ

>kiyoさん
和歌山に行かれたのですね。
先のコメントでもいただきましたが、森永さんの自動ドアが壊れたそうですが、直ってましたか?

一日で2回も行かれるなんて、まるで自分のことのように嬉しいです。

和歌山は本当に良いですよね。
一度行くとまた行きたくなる。
あのゆったりした空気感は、大阪でも京都でも味わえなくて、まさに和歌山特有だと思います。

和歌山市以外も良さそうですね。

kiyo

自動ドアは残念ながら壊れたままでした。
ぜひ自動で開閉するところを見たかったですが・・
それでもあの空間に身をおけただけで満足です。

今回は和歌山市以外では、紀の川市の『館』さんに
行きました。こちらも大変素敵なお店でした。

次はサンスイ、バイパスも行きたいし
紀伊田辺も、行きたいです・・
和歌山行き、あと一回・・では済まなさそうです(笑)

エムケイ

>kiyoさん
自動ドアの件、報告ありがとうございます。
壊れたままでしたか・・・
でも、おっしゃる通り自動ドア以外も素敵ですよね。

紀の川市の「館」。素敵なんですね。
私も行ってみたいです。
名手のサンスイ、岩出のバイパスは1店どちらか行けると、その日はとても幸せになれる超珠玉店です。

私も和歌山はまた行きたいです。
和歌山市だけでも、まだ行きたい店あります。
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エムケイ

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当ブログはリンクフリーです。トップページ、個別ページでもご自由に。

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